二月。フランドルの四季暦から

 
今日で一月も終わり。
ここ数日は、まるで3月の終わりごろのような陽気でした。
かと思えば夕方からは北風が家を揺るがすくらい吹きつけたり・・・。
外で過ごす動物たちも、木々や草花たちも翻弄されているのではないでしょうか。

あと少しで土用も終わりますが(立春まで)
あたらしい季節を迎えるために体がデトックスする時期でもあるので
みなさまもお体大事におすごしくださいね。

真冬から早春にかけての一月、二月、三月は
じっと自分の中にエネルギーを蓄える季節ですが、

あたたかな家の中で本を開いて、
本の世界のなかに繰り広げられる、
のびのびとした春のエネルギーに思い馳せてわくわくしています。

フランシス・バーネットの『秘密の花園』
マリ・ゲヴェルスの『フランドルの四季暦』
フランソワーズ・アンブレの『 夜明けの散策』
あと昨日買った絵本、ゲルダ・ミューラー『庭をつくろう!』

ちょうどこの時期に読むと、なんとも言えず気持ちが高揚するのです。

春本番には、外の芽吹き、花の満開、
虫や生き物や雨や風や土の匂い ・・・
すべてが五感に訴えてくるので、
きっとこれらの本を読んでるどころじゃないでしょうね。
今この時期だから、これらの本をゆっくりじっくり味わえる。

『フランドルの四季暦』の、二月の章の一部分を載せたいと思います。



(この本はベルギーのフランドル地方の自然の息吹が生き生きと
詩的なうつくしさで12カ月分の章立てで描かれています。)



いつもの年なら聖燭節の雨が最初の兆しになります。この時分の雨には特別な力があって、宝瓶宮から撒かれた水は、枯れ草の黄色い茎や、湿り気を帯びた樹皮に、そして太い枝にも、細い枝にも集まって、大粒の真珠のような雫になります。冷たすぎて、すぐには落下しませんから、当分はその場にとどまって、遅い刻限の光や定まらない空を映すだけの時間的なゆとりも生まれます。たわわに実った葡萄のような、眩い水の房をどれか一つ選び、その下にそっと右の掌を差し出してから、左の手で灌木の細枝を揺すってごらんなさい。ほら、そこです。枝を離れた雫が、すぼめた掌に、ぱらぱらと落ちます・・・・・・。まぎれもなく冬の終わりを告げる水です。掌に受けた春の種子が芽吹くときの、ひんやりした手触りを感じていただけましたか。かすかな震えが、手首の静脈を伝って進み、最後は心臓に達しますから、その感覚をしっかり受け止めましょう。
(p30) 


明日から二月。

このブログを読みにきてくださったみなさまが、
それぞれの二月を、それぞれの場所で味わい深く過ごせますように*

人気の投稿